章ごとのあらすじ 物語の流れを、 すぐに思い出せる。 「どんな話だっけ?」と思ったら。 章ごとの丁寧なあらすじが、 あなたと物語を、もう一度つなぎます。
作品を選ぶ こころ 蟹工船 怪人二十面相
夏目漱石『こころ』
上 先生と私 · 1 私は、鎌倉で知り合った人物を自然な呼び方として先生と記します。海水浴に誘った友達は母の病気を知らせる電報で帰郷し、私は元の宿に残ります。海に近い宿から毎日浜へ通い、避暑客で混雑する海岸の掛茶屋で先生を見つけます。
上 先生と私 · 2 掛茶屋で先生を見た私は、猿股一つの西洋人を連れていたため強く注意を惹かれます。二人が沖まで泳いで帰る姿を見守り、先生の顔に見覚えがあると考えます。翌日、同じ時刻に一人で現れた先生を海中で追いかけますが、先生が岸へ戻ったため近づけません。
上 先生と私 · 3 私は毎日先生を見かけても話す機会を得られませんが、落ちた眼鏡を拾ったことで言葉を交わします。翌日は共に沖へ泳ぎ、帰りを促されて浜へ戻ります。その後、先生から滞在期間を尋ねられ、初めて「先生」と呼びます。晩に宿を訪ねて語り合いますが、先生に顔の見覚えはないと言われ、失望します。
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小林多喜二『蟹工船』
一 · 1 函館出港前の蟹工船博光丸では、各地から集められた漁夫や貧民窟の少年雑夫が、悪臭のこもる狭い船室で酒を飲み、家族と別れを過ごします。元坑夫は炭坑事故の記憶を抱えて乗り込み、監督は漁を帝国の使命と称して、反抗する者を威圧します。泥酔した駆逐艦の艦長は、水兵たちに抱えられてタラップを下ります。唾を吹きかけられた水兵の一人は艦長の醜態を皮肉り、「やっちまうか」と口にして、もう一人と笑います。
二 · 2 蟹工船は宗谷海峡からオホツック海の激しい時化に翻弄され、漁夫や雑夫は凍える甲板で命がけの作業を強いられます。雑夫が一人行方不明になる一方、浅川は利益の損失を理由に遭難した秩父丸の救助を妨げ、無電係は四百二十五人の乗務員とともに船が沈没したことを告げます。航海法にも工場法にも守られない老朽船が酷使され、重役が事業を「日本帝国のため」と称して利益や代議士出馬を考える一方、北海では労働者が死闘を続けています。学生上りは自分たちも同じボロ船に乗っていることを他人事ではないと感じ、糞壺で雑夫・宮口の発見者に賞与を出すという貼り紙を目にします。
三 · 3 博光丸はカムサツカ沖で蟹漁の準備を整えますが、だまされて来た学生たちは借金と粗末な食事に苦しみ、監禁された宮口は死にます。浅川は突風警報を軽視して川崎船を出し、一艘を行方不明にしたうえ、捜索中に他船の川崎船を引き揚げて番号を削らせ、自船のものにします。漁夫達は残された荷物から子供の手紙を読み、浅川への怒りを募らせます。三日後に戻った者たちは、暴風雨でカムサツカへ漂着してロシア人に救われ、支那人の通訳を介して働く者の団結を説かれたと語り、若い漁夫は実行を誓いますが、船頭が制止します。
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江戸川乱歩『怪人二十面相』
はしがき · 1 東京中では、変装の天才で正体不明の怪盗「二十面相」が恐れられています。彼は宝石や美術品など高価な品を狙い、殺傷はしないものの、盗みを事前に知らせる大胆な盗賊です。物語は彼と名探偵明智小五郎、その少年助手小林芳雄の対決を描くものとして紹介されます。
鉄のわな · 2 羽柴家では、十年前に家出した長男壮一の帰国を喜ぶ一方、家宝の六個の大ダイヤモンドを狙う二十面相の予告状におびえ、警官や秘書、猛犬で警戒を固めます。弟の壮二は怪盗が書斎の窓から逃げる夢を見て、花壇を通ると信じ、土蔵から鉄のわなを運び出して枯れ草で隠しました。
人か魔か · 3 帰朝した壮一君を羽柴一家が羽田空港で迎え、十年ぶりの再会を喜びます。晩餐中、二十面相から午前零時にダイヤを奪うとの電報が届き、邸内は厳重に封鎖されました。壮太郎氏と壮一君は六個のダイヤを机上で見張りますが、零時を過ぎて箱を開けると、中身は跡形もなく消えていました。
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