
学問のすゝめ
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」——生まれで人の上下は決まらない、決めるのは学ぶか学ばないかだ、と言い切ったところから始まる。福沢諭吉が郷里の中津に学校を開くにあたって友人に示した一冊が、請われて世に出て、四年あまりかけて十七編まで続いた。学問とは詩や古文の教養ではなく、手紙の書き方から地理・経済・修身まで、日々の役に立つ「実学」である。一人が独立してはじめて国も独立する。政府が苛いのは愚かな民が自分で招いた災いである。演説を学べ、疑うことを学べ、怨みを捨てよ——明治の日本人に向けて書かれた言葉は、驚くほど直接に今の読者にも刺さる。本文は青空文庫の新字新仮名版を、ルビを外して収録している。
