手袋を買いに
はじめて雪を見た子狐は、冷たさに手がかじかんでしまう。母狐は町へ行って手袋を買ってやろうとするが、かつて人間に追われた恐ろしさが胸によみがえり、足がすくんで動けない。そこで子狐の片手だけを人間の手に変え、白銅を握らせて、ひとりで帽子屋へ行かせる。「この手にちょうど合う手袋をください」——差し出したのは、変え忘れた狐の手のほうだった。新美南吉が死の年に出した童話集に入った一編。本文は青空文庫の新字新仮名版を収録している。

はじめて雪を見た子狐は、冷たさに手がかじかんでしまう。母狐は町へ行って手袋を買ってやろうとするが、かつて人間に追われた恐ろしさが胸によみがえり、足がすくんで動けない。そこで子狐の片手だけを人間の手に変え、白銅を握らせて、ひとりで帽子屋へ行かせる。「この手にちょうど合う手袋をください」——差し出したのは、変え忘れた狐の手のほうだった。新美南吉が死の年に出した童話集に入った一編。本文は青空文庫の新字新仮名版を収録している。