UNFOLD

堕落論

坂口安吾

敗戦から半年、世相は変わった。天皇のために死ぬと誓った若者は闇屋になり、夫の位牌に手を合わせていた女は別の男を思う。坂口安吾はそれを堕落と呼び、そのうえで「人間だから堕ちるのだ」と言い切る。武士道も天皇制も、人が弱さに耐えかねて作った仕掛けだと見なし、借り物の道徳に寄りかからず、堕ちきったところで自分の倫理を見つけよと説く。戦後の日本でもっとも読まれた評論のひとつ。本文は青空文庫の新字新仮名版を収録している。