UNFOLD

地獄変

芥川龍之介

堀川の大殿に仕える語り手が、絵師・良秀のことを語る。良秀は日本一の腕を持ちながら、けちで傲慢で人に嫌われ、ただ一人の娘だけを溺愛していた。大殿から地獄変の屏風を描けと命じられた良秀は、「見たものでなければ描けない」と言い、牛車に女を乗せて焼くところを見せてほしいと願い出る。大殿は望みどおりにしてやる——燃える車の中にいたのは、良秀の娘だった。芸術と人倫のどちらを取るのかを、語り手のあいまいな証言ごしに突きつける中期の代表作。本文は青空文庫の新字旧仮名版を収録している。