UNFOLD
吾輩は猫であるの表紙

吾輩は猫である

夏目漱石

名前のない一匹の猫が、中学校の英語教師・珍野苦沙弥の家に住みつき、そこに集まる人間たちを見つづける。美学者の迷亭、理学士の寒月、詩人の東風——「太平の逸民」と呼ばれる連中が、首を縊る力学から鼻の研究まで、どうでもいい話を延々と続ける。その馬鹿馬鹿しさを、猫は一段高いところから容赦なく批評する。夏目漱石が四十歳を前に書いた最初の小説で、俳句雑誌『ホトトギス』に一回だけのつもりで載せた短篇が、読者に請われて十一回の長篇になった。本文は青空文庫の新字新仮名版を、ルビを外して収録している。