UNFOLD

私の個人主義

夏目漱石

夏目漱石が学習院の学生を前に行った講演の記録。大学で英文学を修め、ロンドンに留学しても、自分は何をしているのか分からず神経衰弱に陥った——そんな自分の失敗談から話は始まる。行き詰まりを抜けたのは「自己本位」という言葉に行き当たったときだった。他人の尺度を借りているうちは一生落ち着かない、自分の鶴嘴で掘り当てるまで進め。そのうえで、自由には義務が、権力には責任が付くと説き、他人の個性も同じだけ重いことを忘れるなと結ぶ。本文は青空文庫の新字新仮名版を収録している。